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2016年06月30日

授業のはじめに文法・語法の確認

大学で英語を教えて3年目です。うまくできていないなと反省することも多いですが、できる範囲で工夫を取り入れていと思っています。

自分の場合、教科書を使用しないでウェブ上の動画や音声を教材にしているのですが、最近は授業のはじめに文法や語法を確認する問題を取り入れることにしました。そこで確認した文法事項や語句がその後の教材に出てくるような構成にしています。文法・語法の問題だけやると、ただ覚えるだけという気持ちになっていまうかもしれませんし、かといってリスニングに集中するとそこで出てきた表現はさらっと確認して終わりになったりする可能性もありますし、あまり内容理解の最中に細かい文法・語法の説明を聞く気にならないかもしれないと思ったので。最初に文法・語法問題をやると、その回でここは押さえておかないといけない箇所だと集中しやすいかなと考えました。

教材の中からどの部分を文法・語法問題として取り出すか、そしてそれをどう説明するかという部分は、自分が学んできた言語学・英語学が生きているなと思います。自分にとっては英語を学ぶこと、教えること、そして言語学の3つが有機的に結びついているなと感じました。場合によっては、授業で話したことをもとにブログの記事を書いてもいいんじゃないかなと思ったので、近いうちに何か書くかもしれません。
ラベル:英語教育
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2015年12月31日

英語学習の勇気が出る言葉

英語の学習を続ける上では、モチベーションの維持も大事ですね。勉強できない日があるとつい情けない気持ちになりますが、あんまり後ろ向きにならずに、そういう日もあるかと多少楽観的でも継続することが大切だなと思います。

NHKのラジオ講座のうち、「攻略!英語リスニング」というのがあるのですが、講師の柴原智幸先生の言葉にはいつも勇気づけられています。今年特に印象に残っていたのをいくつか紹介します。

体が疲れていると、精神的にも踏ん張りがきかないといいますか、いつもどおりの学習を「ちょっとキツイなあ」と感じることもあるでしょう。そんなときは、回数や頻度を減らしても完全には「ゼロ」にしない、「守りの学習」を継続してみてください。大丈夫、いずれまた、アクセルを踏める段階がきっとやってきます。(2015年7月号、p. 2)

経験からすると、「しっかり条件を整えて、一気に挽回しよう」と思うこと自体、かなり疲弊している証拠です。あまり気負わずに、ほんのちょっとでも動き出すと、それがきっかけでスイッチが入ることが多いですから、肩の力を抜いて取り組んでみましょう。(2015年9月号、p. 2)

忙しくてふだあんのメニューがこなせないときは、簡単なメニューをこなせたら自分を大いに褒めてあげること。疲れ果てているときは、「テキストを開いて、30秒眺める」でもかまいません。「1歩前進している自分」「立ち向かっている自分」を感じて、学習の励みにしてください。(2016年1月号、p. 2)

情けない気持ちになっても学習を完全にやめない、ちょっとでもやれた自分をほめて継続する。そのための勇気をくれる言葉だなと思います。引き続き、英語の勉強を頑張りたいと思います。

関連記事:
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ラベル:語学 英語教育
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2015年10月31日

大学の英語の授業について考える

以前、高校の非常勤講師として働いていたとき、勉強合宿に引率として参加したことがある。そのとき、古文の授業を生徒といっしょに受けてみた。大学受験のときは、古文は文系科目の中ではあまりうまくできるようにならかったし、古文に触れるのも久しぶりだったが、そのときは思いのほか理解でき、また今だからこそわかる部分、楽しめる部分があるように思えた。

高校までの勉強で科目のイメージが決まってしまうのはしょうがないものの、そのとき苦手だったりおもしろくないと感じてずっとそのままになってしまうというのは、もったいないかもしれない。実際には、高校までとは違うアプローチも世の中にはたくさんあって、もっと違う付き合い方があるのだから。古文をおもしろいと思えたのは、曲がりなりにも文学部にいたおかげで、文学が専門ではなかったにせよ、文学や歴史や芸術との付き合い方にいろいろあるのを知って、付き合い方を選べるようになったのが大きい気がした(もちろん、言語学を学んだおかげで、古文の文法なども新たな気持ちで見れたというのもある)。それは自分が文学部にいたことの収穫の一つのように思う。

そう考えると、大学の英語教育は、高校までとは違う英語への接し方もあることを提示して、個々人が付き合いたいように英語に付き合える手伝いをするのも大切なことかもしれない。英語の授業にも、何かの手段として使えるようにするという実用的な面も、外国語を学ぶ意義や言語そのもののおもしろさを伝えるという面も、文化を伝える面も、いろいろあるはずだ。どの学部で教えるかによって強調する面は変わるだろうが、人によって興味を持つところは違って当然だし、いろんな接し方があること自体を示唆できたら意義深いものになるのではないかと思う。

英語は実技的な側面が強い科目なので、実技面での結果を伴わなければ意味がないと考えることもできるが、実技面を測ることを目的としすぎるとテストは最初からできる人が有利なようにも思える。また、そうそう短期的にスキルが上がるわけでもないので、もし仮にスキル向上が見られなければその学生にとって意味がないのかといえばそうとは言い切れないだろう。もちろん、実技面での効果がなくていいと言ってるのではないのだが、それ以外のことも視野に入れておもしろさや新しい付き合い方を見つけらるならそれも大事だし、それは結果的に実技面でのやる気の向上にもつながることもあるように感じる。

その点、大学の体育の授業などは、英語の授業にとっても参考になる部分あるかもしれない。自分が大学生だったころ、室内トレーニングの授業を履修したのだが(正確な科目名はちょっと違ったかもしれない)、トレーニングの考え方や種類を学んだり、毎回トレーニングをしてそれを記録することが評価の対象で、受講時の運動能力そのものは基本的に成績とは関係なかったので、高校までとはだいぶ違うなあと思ったのだった。

私の友達は、大学で舞踊が専門の先生から体育の授業を受けたことがあるそうだ。バレエの型をやったり、色々なストレッチをしたりして、身体の筋肉のしくみとか使い方を知るような授業で、自分の身体の概念を覆される授業だったとのこと。これまで何となく「知っている」と思っていたことの新しい見方を学べて、それを通して自分自身の興味に気付けたりするのも、大学の授業の役割なのかもしれない。

大学の授業は、多くの場合、これまでの常識から離れて学問することの入り口をやるのに対して、英語の場合は大学でも何かの手段として扱われがちで(言語学としての英語は別)、授業は高校までとの連続性が一番あるように思われているかもしない。それは授業担当者から見てもそうかもしれない。しかし、たとえ言語学という形ではなく、語学の英語であっても、英語との新しい出会いにしてもらえるようなことを自分は授業を通してやりたい。すぐには実践としてできなくても、そういったものを目指したいと思う。

関連記事:
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2015年07月12日

英語学習に便利なウェブサイト(3):学習方法とテスト作成方法

英語学習に便利なウェブサイトを紹介する記事の第3弾です。第1弾は無料で音声または映像が利用できて、さらにその書き起こしが手に入るもの、第2弾は医学・医療分野に限定したものを見ましたが、第3弾は科学記事を扱ったものを紹介します。科学記事としては、第1弾ですでにScientific Americanを紹介していますが、今回はそれと比較しながらふたつのウェブサイトを見ることにします。そのうえで、複数のウェブサイトを利用した英語学習法や英語テストの作り方を考えてみます。

Science Update
○最新の科学情報についての簡単な解説。音声とその書き起こしから構成されている。
○Scientific Americanの60-second Scienceの音声は、1分(60秒)と言いながら実際には2分前後のものもあるのに対して、こちらは確実に1分に収められているので、さらに手軽に英語に触れることができる。
○毎回研究者(論文の著者)本人の声が聴けるのが特徴。もとの論文へのリンクなどはないので、別途検索が必要。

Science Daily
○科学情報について、文字のみの記事または映像の二つの形式で紹介。映像に書き起こしはない。
○Health、Physical/Tech、Environment、Soceity/Educationのジャンルに分かれている。各ジャンルはさらに細分化されて記事・映像がまとめられている。
○Story Source(もとになった研究機関の発表などへのリンク)、Journal Reference(もとになった論文が掲載されている雑誌へのリンク)があるのも便利。
○スマートフォン向けに最適化された画面が用意されており、アプリ版もある(App SoreGoogle Play)。

以上のように、科学記事を紹介するウェブサイトが複数あるわけですが、これは英語を勉強したり、英語教材を作成する上で効果的に活用できると思います。たとえば、以下の二つの記事の抜粋を見てみましょう。

[A] Scientific American 60-second Science "Animals Can Be Given False Memories"
Scientists trained bumblebees to expect a droplet of sugar water from two artificial flowers: one that was solid yellow, the other looking like an archery target of black and white rings. A few minutes later, (1)the insects were allowed to choose between those two flowers and a third one that had yellow rings, (2)a combo of the previous patterns. In this short-term test, the bees correctly showed a preference for the petals they’d seen had the sweet stuff.

[B] Science Daily "Bumblebees make false memories, too"
To find out, Chittka and Hunt first trained bumblebees to expect a reward when visiting a solid yellow artificial flower followed by one with black-and-white rings or vice versa. During subsequent tests, (1')bees were given a choice between three types of flowers. Two were the yellow and the black-and-white types they'd seen before. The third type of flower had yellow-and-white rings, representing (2')a mixed-up version of the other two. Minutes after the training, the bees showed a clear preference for the flower that most recently rewarded them. Their short-term memory for the flowers was good.

[A] はScientific American 60-second Scienceから、[B] はScience Dailyから取ってきました。(1)や(2)などの番号や下線はこちらで加えています。どちらもbumblebee(マルハナバチ)の記憶に関する研究を紹介していますが、用いられている表現はある程度異なることがわかります。そのため、同じ内容を伝える複数の表現を知ることができたり、何度も同じ語に触れることで語彙を定着さえることが期待できます。(同じ内容を言い換えることについては、以前「英語で論文を書く(2):同じ表現を何度も使わないために」でも取り上げました。)

たとえば、(1) と (1') を見ると、(1) に出てきた (the insects were) allowed to choose between... という表現は、(1') の (bees were) given a choice between... とも言い換えられることが学べるでしょう。また、(2) a combo of the previous versionsは、(2') a mixed-up version of the other twoに対応していることがわかります。

今度は授業で [A] を扱ったことを想定して、そのテストをつくることを考えてみましょう。リーディングテストで授業で扱った文章を繰り返し出題する以外にどんな方法があるか、というのはなかなか悩みどころだと思います。これに関して、印南洋氏は「そのままの本文の後に本文の要約を空欄補充式で提示」するというやり方を紹介しています(『英語教育』2014年9月号, p. 62)。

これを実践するにあたって、上記のように [A]、[B] のような同一テーマの英文を手に入れることができると非常に便利です。たとえば、[A] を提示したあとに [B] の一部を空所にして、穴埋め問題 [B'] を行うことができます。以下のように、空所 (ア)、(イ) を用意して指定した文字から始まる語を [A] から抜き出す、という問題をつくってみました。

[B'] 穴埋め問題
To find out, Chittka and Hunt first trained bumblebees to expect a reward when visiting a solid yellow (ア. a     ) flower followed by one with black-and-white rings or vice versa. During subsequent tests, bees were given a choice between three types of flowers. Two were the yellow and the black-and-white types they'd seen before. The third type of flower had yellow-and-white rings, representing a mixed-up version of the other two. Minutes after the training, the bees showed a clear (イ. p     ) for the flower that most recently rewarded them. Their short-term memory for the flowers was good.


すると、[A] の文章を参照しながら [B'] の問題を解くことになるので、[A] の復習にもなると思います。[A] を十分わかっている学生であれば空所に必要な語をすぐに書いてそれを [A] で確認することができますし、[A] の勉強が不十分だった学生でもその場でがんばればなんとか解答にたどりつく可能性があります。わからなければあきらめるしかない問題とは違って、そういうチャンスがあるのはおもしろい問題かなと思います。ちなみに、解答は (ア) artificial、(イ) preferenceです。

というわけで、今回はScience UpdateとScience Dailyを紹介したうえで、ウェブ上の複数の科学記事を利用した英語学習、英語テストについて考えてみました。今後も英語学習や英語の授業に使えるウェブサイトを探していきたいと思います。

参考文献
印南洋. 2014.「リーディングテストの作成方法」『英語教育』第63巻第6号(9月号), 62-63.

関連記事:
英語学習に便利なウェブサイト(1)
英語学習に便利なウェブサイト(2)
英語学習に便利なアプリ
英語で論文を書く(2):同じ表現を何度も使わないために
ラベル:語学 英語教育
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2015年04月23日

英語学習の「5分+54年」を目指す

スマートフォンのアプリでできるゲームはたくさんありますが、最近は子供のころにやったゲームの移植版なども見かけます。ドラゴンクエストは特によくやったゲームなので、広告など見ると久しぶりにやりたくなります。以下の動画はスマートフォン版「ドラゴンクエストV」のプロモーション映像です。



ドラクエと言えば、この動画でも流れている「序曲」が有名ですね。ドラクエシリーズを代表する「これぞドラクエ」の音楽ですが、作曲家のすぎやまこういち氏によると、たった5分足らずで思いついたメロディだそうです。

5分で作曲というと、すぎやま氏にとっては簡単な行為のように感じますが、それは表面的な捉え方にすぎないでしょう。すぎやま氏自身はこう語っています。

「序曲」のメロディに関しては出来上がるまでに5分かからなかったかな。
30年前の曲で、今再び人気の「亜麻色の髪の乙女」のメロディは車で運転中に急に浮かんだメロディなのです。それでよく著作権に関して「たった5分で出来た曲にしては、ずいぶん稼げていいね。」と言われるのですが、これは5分ではないのです。ドラゴンクエストの「序曲」を作ったとき、僕は54歳の時です。ですから、「序曲」が出来上がるまでには「5分+54年」と考えてください。つまり、僕の54年間の人生が無ければ、あの「序曲」は出来なかったわけです。
すぎやまこういち氏のウェブサイトから)

「5分+54年」という表現に重みがありますね。それまですぎやま氏が作曲家として活動してきた背景、そして今まで経験してきたことのすべてがあってこその5分であることがわかります。

これは、人生のあらゆるところで当てはまることかもしれません。英語など、外国語の勉強でもそうですね。今読んでいる英語の本がわかるかどうか、英語で会話して相手の言うことが聞き取れて、それに応じた返事ができるかなど、それまでに触れてきた英語、それまでにやってきた英語学習で得たことのすべてが問われていると言えます。

これは、英語を読むのに苦労したり、うまく言いたいことが表現できなかったときに、なんで今までもっと真剣に英語の勉強をしてこなかったんだろうという気持ちにもつながりますが、一方で、今後も積み重ねていけばいつかもっと読める、もっと話せるようになる、という希望にもなります。自分の周りには英語がよくできる人が何人もいますが、その人たちがそれまでに英語に接してきた背景を感じつつ、自分も英語学習の「5分+54年」を目指してがんばっていきたいと思います。

関連記事:
忘れる ― 外国語を学ぶコツ
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英語の勉強量なんて、みんな同じようなもの?
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ラベル:語学 英語教育
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2015年02月10日

英語学習に便利なアプリ

先日、英語学習に便利なウェブサイトについて書いたら、思いのほか多くの人に見ていただけました。今回は、スマートフォンで使えるアプリをご紹介しますね。アプリとはいっても、ウェブ上でも利用できるので、スマートフォンを使っていない方にも役に立つ部分があると思います。なお、いずれも無料です。

Studyplus(App Store)Studyplus(Google Play)
○「勉強の記録で習慣化!「Studyplus」学習管理ができる無料アプリ」という宣伝文句からわかるように、自分の勉強時間を記録するのに役立つアプリ。自分で設定した教材(市販の書籍やアプリを選んだり、独自設定の教材も登録できる)ごとに勉強時間を記録する。ウェブサイトはこちら
○一日ごと、一週間ごと、一か月ごとの勉強時間をグラフにしたり、どの教材に勉強時間を配分しているかを見直すことができるので、自分自身の行動を知るのに便利。
○自分の学習管理だけでなく、SNSとしても利用できる。タイムラインには自分が友達申請した人の勉強ログが流れる。どちらかといえば、大学受験生を主なターゲットにしているように思われるが、大学生・大学院生や資格試験にむけて勉強している社会人でも利用している人はいるようなので、勉強仲間を見つけてみよう。


Urban Dictionary(App Store)Urban Dictionary(Google Play)
○俗語、若者言葉など、市販の辞書に記載がないような語句のためのオンライン辞書。一般の辞書と違い、ユーザーからの投稿で成り立っている。一つの語句に対して複数の説明が投稿されていたり、各説明に対してそれが妥当かの評価がついていたりするのが特徴。
○ドラマに出てくる表現、文字通りに取ると意味不明な表現など、これを見て解決することも多い。
ウェブサイトはこちら。Urban Dictionary自体は比較的知られているものの、アプリの存在は意外と知らないかもと思い掲載。アプリでサクッと引けるのはやはり便利。


らじる★らじる(App Store)らじる★らじる(Google Play)
○インターネットを利用して、NHKのラジオ(第1・第2・FM)を聴くことができる。ウェブサイトはこちら
○英語学習としては、ラジオ第2で放送している各種英語講座を聴くのに使えるのがありがたい。アプリでは聴きたい番組のアラーム設定が可能なので、放送時間を忘れてしまう人に最適。
○現在どんな講座が開かれているかは、NHKゴガクというウェブサイトで確認しよう。ちなみに、NHKゴガクで無料の利用登録をしておくと、前の週に放送したのを一週間分ストリーミングで聴くことができる。放送時間に聴けないない人、復習したいけどCD買うほどではない人などにおすすめ。実際には「らじる★らじる」よりこっちのほうが便利かも。


先日、春から英語教員になる方とお話しして、やっぱりNHKのラジオ講座はいいよねという話題になりました。その方は遠山顕先生の「ラジオ英会話」を聴いているということで、番組の構成がよく練られているのがわかる、とのことでした。そのとき、ウェブでも聴けるし、アプリもあるというのを知らなかったようなのでお伝えしました。もしかしたら、意外と知られていないかなと思い、aあわせていくつかのアプリも取り上げてみました。ちなみに、私も遠山先生が好きで、長期休みのときは聴くようにしています。柴原智幸先生の「攻略!英語リスニング」も聴いています。

関連記事:
英語学習に便利なウェブサイト(1)
英語学習に便利なウェブサイト(2)
英語学習に便利なウェブサイト(3):学習方法とテスト作成方法
ラベル:語学 英語教育
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2014年12月31日

英語学習に便利なウェブサイト(2)

前回に引き続き、英語学習に便利なウェブサイトを紹介します。今回は、ジャンルをある程度限定して、医学・医療分野で役立つものを扱います。音声とその書き起こしが手に入るものもあれば、辞書もあったりと、形式にはこだわらないことにします。

Podcasts at CDC
CDCが運営するウェブサイト。CDCとはCenters for Disease Control and Prevention、つまりアメリカの疾病対策センターのこと(エボラ関連のニュースで耳にした人も多いかもしれない)。健康や病気の予防に関する情報が配信されている。
○音声のダウンロードができる。書き起こしはウェブサイト上でも閲覧できるしPDFでダウンロードすることも可能(学生に配布するときに便利そう)。
○音声の長さは2分ぐらいのものから8分ぐらいのものまでさまざま。さらに、短めのFor Kids(30秒程度)やRadio-Ready PSAs(1分程度)といったカテゴリーもあるので、興味や集中力に応じて聞きたいものを選べる。


MediEigo(メディエイゴ)
○医療関係者向けの英語学習サイト。ニュースや英単語、医療現場で使えるフレーズなど、充実のコンテンツ(ただし、2013年で更新が止まっている?)。
「気楽に1分〜脳に染み込む医学論文・頻出単語!」では、医学論文によく使用される100の英単語が例文とともに解説されており、医学論文を書くときやその準備として便利。
「おすすめ 英語学習サイト」では、医療分野以外にも便利なウェブサイトを紹介している。


ライフサイエンス辞書
ライフサイエンス辞書プロジェクトの一環として公開されているウェブ上の辞書。生命科学(ライフサイエンス)分野の学術論文を解析したデータベースをもとに、英和・和英の検索ができるだけでなく、共起語表現の検索なども行える。
○普通の辞書には載っていないような専門用語もばっちり。関連語なども見つけることができる。
○共起表現検索は、生命科学分野のコーパスになっている。調べたい語句の前後に現れる語の頻度を集計したり、その語句が入った用例を網羅的に表示させることができる(その用例が含まれる論文に飛ぶリンクも用意されている)。
スマートフォン用のページも用意されている。


医学部、看護学部の学生が勉強するのにぴったりですが、それらの学部で英語を教える先生にとっても役に立ちそうです。文系学部でも、エボラなどの時事問題を扱おうと思ったときには、Podcasts at CDCから教材を取ってきたりできますね。

英語学習のやる気って、便利なウェブサイトを知っているかどうかというちょっとしたことにも案外左右されるような気がします。ご紹介した情報が少しでもお役に立っていれば幸いです。

関連記事:
英語学習に便利なウェブサイト(1)
英語学習に便利なウェブサイト(3):学習方法とテスト作成方法
英語学習に便利なアプリ
ラベル:英語教育 語学
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2014年11月30日

英語学習に便利なウェブサイト(1)

インターネットは何か調べるのにとても便利ですが、英語学習にも役立つものがたくさんあります。今回は特に、(1) 無料で利用できる、(2) 音声または映像が手に入る、(3) 放送された英語の書き起こしが手に入る、という3点がそろったウェブサイトを紹介します。いずれも登録不要で利用できます。

ABCニュースシャワー
○米国のABC NewsにNHKが字幕・解説をつけたもの。
○1分ぐらいのニュースを英語字幕・日本語字幕・字幕なしなど複数回見せてくれる。一回の動画は約5分。
○毎回キーワードが設定されており、その語句を中心に解説される。
○NHK「国際報道2014」のウェブサイトから映像の視聴と字幕の閲覧ができる


SCIENTIFIC AMERICAN
○最新の科学論文を英語で簡単に紹介してくれる。
○Videos&Podcastsに進むと、60-Second Science(科学全般の話題)、 60-Second Health(医療・医学の話題)、60-Second Mind(心理学や脳科学の話題)など複数のカテゴリーがあり、一分間の音声解説とその書き起こしがある。
○MP3形式で音声をダウンロード可能(Podcastにも対応)。
○もとの論文へのリンクもあるので、気になった話題はさらに深く知ることが可能。


TED
○最近話題の英語によるプレゼンテーションを配信するウェブサイト。
○「価値のあるアイデアを世に広める」ことを目的として、講演者が各分野の最新の知見を巧みに語る。
○NHKの「スーパープレゼンテーション」という番組のもとになっているもの。
○内容、講演時間(短いもので3分ぐらい、長いものだと20分以上のものもある)もバラエティに富んでおり、自分に合うものを選べる。
○字幕なし、英語字幕、日本語字幕(それ以外にも様々な言語の字幕が選べる)などが選択できるため、学習の目的に合わせた利用が可能。
○映像がダウロード可能、TED視聴用のアプリも複数あるのでスマートフォンでも利用しやすい。


どれもよく更新されるので、継続的に英語教材を手に入れることができます。もともと日本人が英語を学習するために作られたわけわけではない(ABCニュースシャワーの場合、もとのニュース自体は学習者向けに放送されたものではない)ので、少々レベルが高いものもありますが、本格的に英語を勉強するには、学習者向けの教材だけでは不十分なので、意欲のある大学生や一定の英語力がある人にはおすすめです。電車の中やちょっとした空き時間にも利用できるので、ぜひ見てみてください。

関連記事:
英語学習に便利なウェブサイト(2)
英語学習に便利なウェブサイト(3):学習方法とテスト作成方法
英語学習に便利なアプリ
ラベル:英語教育 語学
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2014年09月30日

公開講座の報告ページ

ご報告が遅れましたが、先日の河合塾K会の公開講座「なんでそんなふうに言ったんだろう〜なぜに迫る言語学〜」の報告ページができましたのでお知らせします。以下のウェブサイトの後半部分です。
セミナーレポート 2014年度

報告ページには、アンケートの感想欄からの抜粋が載っています。感想を見る限り、初めて言語学について聞く人にも楽しんでもらえたところがあったようで、よかったなと思っています。

回答してもらったアンケートは、公開講座が終わってすぐに読みました。なんというか、うまく表現できないんですが、どの感想からも参加していただいた方々の気持ちが伝わってきて、読んでいてこちらが感動してしまうぐらいで、思わず何度も読み返してしまいました。

公開講座は、途中休憩を挟んだとはいえ、全体で2時間もあったので長く感じる人もいるのではないかと思いましたが、もっと話を聞いてみたかった、2時間ではむしろ短いぐらいだった、といった感想も複数いただいて、そんなふうに思ってもらえるなんて本当にありがたい限りです。

ウェブサイト掲載不可にチェックが入っているものもあったので、実際には掲載されているのよりももっと多くの感想をいただいているのですが、どの感想もしっかり受けとめました。

今回参加できなかったという方から、また公開講座をやるのであれば教えてほしいと言っていただきました。ポスター作ってもらったり、ちゃんとした教室を用意してもらって人前で話すことは、なかなかない気がしますが(授業や学会発表と違って、こういうチャンスはめったにないので)、今後もこのような機会があればうれしいです。参加してくださった方々とは、いずれまた何らかの形でお会いできればいいなと思っています。

関連記事:
公開講座のお知らせ「なんでそんなふうに言ったんだろう?〜「なぜ」に迫る言語学〜」
公開講座を終えて
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2014年08月13日

公開講座を終えて

先日お知らせした公開講座、無事終了しました。
公開講座のお知らせ「なんでそんなふうに言ったんだろう?〜「なぜ」に迫る言語学〜」

ご来場いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

実は、最初はあまり申し込みがなくて、大丈夫かなと思っていたのですが、だんだんと申し込みが増えていき、最終的には当初設定していた定員を超えるぐらい申込数がありました(当日申し込みの方は、席が確保できるまで別室で待機していただいたりもしました)。当日は午後から雨という予報も出ていたにもかかわらず、足をお運びいただき心から感謝いたします。

今まで、英語を教えることはあっても、特定の科目や授業から離れて、ことばについて話をするのは初めてでした。どのような話をしようかなと考えたのですが、自分がことばに関して抱く素朴な疑問や、おもしろいと思っていることを素直に表現してもいいのかと思ったら、かえって普段の授業よりもやりやすい気がしてきました。実際、当日も緊張はしつつも(普段の授業でも緊張しないときはないのですが)、肩に力が入りすぎるこもなく、話ができたように思います。

公開講座は、ブログの延長線上にあると前に書きましたが、実際、過去にこのブログで書いたことをまとめ直してしゃべった箇所も多いです。たとえば以下の記事などです。

「冷やす」と「冷ます」 ― 似ていることばのちがいを探る(2009年8月22日)
I am making slow progress. ― ことばがつくる現実(2009年10月22日)
ことばを並べる:言語の線条性と創造性(2011年2月15日)
ジョナさん?(2011年6月29日)
「大学芋」からことばの不思議へ(2012年5月6日)

ほかにも、様々な本を参照したりしているのですが、特に今回意識していたのは、以下の本です(当日にも紹介しました)。

ふしぎなことば ことばのふしぎ (ちくまプリマーブックス) -
池上嘉彦『ふしぎなことば ことばのふしぎ』筑摩書房、1987年。

英語の感覚・日本語の感覚―“ことばの意味”のしくみ (NHKブックス) -
池上嘉彦『英語の感覚・日本語の感覚』NHKブックス、2006年。

日本語と外国語 (岩波新書) -
鈴木孝夫『日本語と外国語』岩波新書、1990年。

はじめて考えるときのように―「わかる」ための哲学的道案内 (PHP文庫) -
野矢茂樹『はじめて考えるときのように』PHP文庫、2004年。

言語学の教室 哲学者と学ぶ認知言語学 (中公新書) -
西村義樹・野矢茂樹『言語学の教室―哲学者と学ぶ認知言語学』中公新書、2013年。

今回は、言語学の中でも、特に「認知言語学」と呼ばれる分野についてお話ししました。言語学と言っても、実は相当いろいろな分野が含まれています。言語学の中で認知言語学がどういう位置づけなのか、といった話はしませんでしたし、さらには認知言語学といっても、その考えをごく一部しか紹介できませんでしたが、ことばについて考えてみることのおもしろさや、一見とっつきづらそうな文法が、人の心を考えるきっかけになることを感じてもらえたらいいなと思っています。

関連記事:
公開講座のお知らせ「なんでそんなふうに言ったんだろう?〜「なぜ」に迫る言語学〜」
公開講座の報告ページ
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2014年08月05日

公開講座のお知らせ「なんでそんなふうに言ったんだろう?〜「なぜ」に迫る言語学〜」

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今年度から、河合塾のK会というところで講師をさせていただいています。K会は、無学年制で、少人数教育、教養教育を重視している塾です。今回、そちらで言語学についてお話する機会をいただきました!

ウェブサイトはこちらです。
【K会】夏期特別セミナー「なんでそんなふうに言ったんだろう?〜「なぜ」に迫る言語学〜」

[追記 特別セミナー終了後は、上記の案内にアクセスできなくなります。セミナーの報告ページが以下に更新されましたので、こちらをご覧ください。
セミナーレポート 2014年度]

言語学入門、というよりは、会場の方々と、ことばについて考えてみたら、いつの間にか言語学の入り口に入っていた、という感じになればいいなと思います(自分の研究についてもお話しします)。実際、このブログもそういうスタンスでやっているので、自分の中では、今回の公開講座はこのブログの延長線上にあります。

メインターゲットは中学生・高校生ですが、保護者、大学生、大学院生や学校教員も歓迎ということなので、もしお時間あるようならお越しください。実際、保護者や大学院生からの申し込みもあります。

参加費は無料です!(事前申し込みが必要ですので、ご注意ください)
チラシも作っていただきました。
seminar_special.pdf(PDFです)

*****

■開催日時  2014年8月9日(土)14:00〜16:00
■会場    河合塾本郷校(2階K会本郷教室)
■対象学年  高校生・中学生・保護者
■講演者   野中 大輔 K会英語科講師/東京大学大学院 言語学専攻
■参加費   無料
■申込方法  窓口/電話申込
 実施校舎の窓口または、下記問い合わせ先にお電話にてお申し込みください。
■お問い合わせ  K会事務局(本郷教室) 0120-540-315
■主催  (学)河合塾
■内容「なんでそんなふうに言ったんだろう?〜「なぜ」に迫る言語学〜」

日ごろ当たり前のように使っていることばでも、いざ考え始めると意外と不思議に見えてきます。たとえば、「財布が見つかった」と言った後で、なんでそんなふうに言ったんだろう、「財布を見つけた」と言ってもよかったのに、と思えたりします。そんなことを考え始めると、「彼は顔が赤い」と「彼の顔が赤い」は同じ意味だろうか、英語でもHe is red in the faceとHis face is redという表現があるけどどう使い分けられているんだろうと、どんどん疑問が湧いてきます。みなさんだったら、そんな疑問にどう答えるでしょうか。これらの表現は同じことを伝えているようでもどこか伝えたいことが違う、と感じる方も多いのではないでしょうか。この「伝えたいこと」に注目すると、文法という無味乾燥に思えるルールにも、背後に人間らしさが見えてきます。このセミナーでは、言語学の中でも特に「認知言語学」と呼ばれる分野が、人間らしさという捉えどころのないような一面にどのように切り込んでいくのかを、私の研究事例と共にご紹介します。このセミナーを通して、一見とっつきづらそうな文法を身近に感じてもらい、そこから人間の心について考えるきっかけを得ていただければ幸いです。中学生から高校生、保護者の方までどなたでも歓迎です。ご家族、ご友人をお誘い合わせのうえ、ふるってご参加ください。お待ちしています。

*****

弟のブログでも紹介してもらいました。弟は『中高生の勉強あるある、解決します。』という本の著者です。
中高生のあるある研究所「お兄さんの公開講座!『なんでそんなふうに言ったんだろう?〜「なぜ」に迫る言語学〜』」

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2014年04月30日

英語で論文を書く(3):形容詞や副詞を有効に使う

自分で英語を書いてそれを読み直してみると、とても貧弱な文章に見えてがっかりすることがある。文章に何かが足りないように思えてしょうがない。最近、その原因の一つは、形容詞や副詞、あるいはそれに相当する語句がうまく利用できていないからかもしれないと気づいた。

英語の文が成立するにあたって、通常名詞や動詞は必須要素である(命令文Look!や感嘆文How tall!などはとりあえず除いて考える)。学習上の重要なポイントとして指導されるし、辞書で用法を確認する必要性も認識しやすい。

その一方で、形容詞や副詞はなくても文が成立する場合が多い。たとえば、以下の英文には形容詞・副詞は使われていないが、文法上特に問題のない文である。

(1) There is a difference between X and Y. (XとYには違いがある)
(2) This phoenomenon is treated under the heading of X. (この現象はXという項目のもとで扱われている)

しかし、文法上なくてもよいからといっても、あるとないとでは大きく印象が違う。(1, 2)と(1', 2')を比べてみてほしい。

(1') There is a {crucial/salient/slight} difference between X and Y.(XとYには{決定的な/際立った/わずかな}違いがある)
(2') This phenomenon is {usually/generally/traditionally} treated under the heading of X.(この現象は{通例/一般的に/伝統的に}Xという項目のもとで扱われている)

(1)の場合「違いがある」とだけ言われても、だから何なのかという気がしてしまうが、(1')のようにその違いがcrucial(決定的)だとかslight(わずか)だと言われれば、読み手に伝えるのに十分な意味が付加されるし、前後の文章とのつがなりも明確になってくるだろう。たとえば、「決定的な違いがある」ならば、それまでこの違いに気づいていなかった従来の研究を批判し、それを説明するための新説を提示するのかもしれないと読み手も心の準備ができる。

また、(2)はこれでも問題はないが、generally(一般的に)などと付け加えておけば、特定の分野の先行研究のレビューをしているようなことが伝わりやすいのではないだろうか。実際に論文を読んでいても、(2')のように副詞が入っていることが多いように思う。

形容詞・副詞が論文の中で果たす役割は思いのほか大きい。しかし、いざ使おうと思うとちょうどよいものが思いつかなくて困る。しかも、似ている意味のものが複数あって選択に悩んだり、意外と名詞や動詞との相性が重要で必ずしも自由に修飾できなかったりする。名詞や動詞に比べると形容詞・副詞は十分に注意が行き届かないことが多いが、論文で見かけたときに意識的に使い方を学んでいくのが大切だろう。これらの修飾語句を有効に使って、読みやすく伝わりやすい論文を書いていきたい。

*****

今回の記事を書いていて、高校のころに習っていた予備校の先生を思い出しました。鬼塚幹彦先生といって、代々木ゼミナール(代ゼミ)で授業を受けていました。代ゼミで授業を受ける前に鬼塚先生の本を読んでいたのですが、自分にとってその本との出会いがその後の英語への接し方を大きく変えたと言っても過言ではありません。もしかしたら、鬼塚先生がいなければ、大学院で英語の研究をするほど英語に興味をもっていなかったかもしれません。それぐらい影響を受けたのですが、そのあたりの話はいずれ機会があればしたいと思います。今回は、先生の著書から記事に関係するところを引用するのに留めておきます。

 形容詞と副詞は(形容詞が文の補語になる場合は別として)文の構成要素ではありません。
形容詞と副詞がなくても文が成立する
ということです。
「いつ」「どこで」「どのように」の部分をはずして考える
この作業から英語の学習を始めるのはこのためです。(中略)
 不可欠ではないのに形容詞・副詞がある。それは、英文の意味の色づけをするだけでなく、最終的な意味を決める、という実は重要な役割を果たしているからです。
 初歩の段階で取り除いてしまった形容詞・副詞に対する思いやりのようなもの、これが芽生えてきたとき、英語学習の終点も間近です。(p.106)

鬼塚幹彦. 2003. 『鬼塚の最強の英文法・語法3 入試実践編』学研.

「思いやり」という表現がいいですね。久しぶりに鬼塚先生の本を開きましたが、今になってやっと鬼塚先生のことばの意味がわかってきたように思います。

レベルアップ問題集 鬼塚の最強の英文法・語法 3.入試実戦編 (レベルアップVシリーズ) [単行本] / 鬼塚 幹彦 (著); 学習研究社 (刊)
鬼塚幹彦
レベルアップ問題集 鬼塚の最強の英文法・語法 3.入試実戦編 (レベルアップVシリーズ)


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2013年12月31日

語学の上達のために必要なことを考える

勉強に関して、次のようなことをよく聞く。一度に5時間勉強するのをたまにしかやらないよりは一日10分でも毎日やるほうがいい、というアドバイスだ。たしかに、一夜漬けの勉強をするより、たとえわずかな時間であっても継続的にやったほうが、記憶の定着にはよいだろう。しかし、少なくとも語学に関しては、「毎日ちょっとずつ」型の勉強には危険も潜んでいると思う。

ここでは、語学に初級、中級、上級があるとして話を進めてみたい。なお、何をもってして中級と呼べるかなどの問題はあえてしない。中級の中にも実際には幅があるだろうが、なんとなくのイメージでこれらの用語を使う。また、その言語が実際に話されている場所で生活するなどの状況も考えないことにする。

初級から中級に上がるのは、ある程度時間をかければできる。中級から上級に上がるのが難しい。中級は、ちょっとサボるとすぐに衰えて初級並みになってしまうし、かといって一日10分程度の勉強だと、初級まで引き戻されなかったしてもなかなか自分の語学力が伸びていると実感できない。初級のときに比べると、力が伸びるスピードは落ちるからだ。そうすると、だんだん今やっていることが無駄なんじゃないかと思い始めて、勉強が継続できなくなる。実際にはスピードが落ちただけで無駄ではなく、継続していればあるとき自分が意外と前進できたことに気づく瞬間が訪れるのだが、その前に不安になって勉強を中断してしまう人もいるだろう。そんな感じで、語学は初級と中級を行ったり来たりしている人が多いと思う。

ちゃんと力がついたと実感するためには、あるときに一日5時間を2週間継続するといったことが必要なのではないかと思う。そうすると、一段階上がったことが感覚としてわかって、自信になる。その後は徐々にペースを落として毎日少しずつ勉強する形にしてもかなりの効果があると思う。勢いをつけたことで十分定着させられなかったことを補うのには、そのぐらいのペースがむしろちょうどよいのかもしれない。そしてまた短期集中の時期をつくる。そういったことを繰り返していくうちに、中級の壁を突破して、上級に進めるのではないだろうか。一度上級になると、そう簡単には中級には戻らない。そのため、多少時間をあけても中級のときほどは深刻にはならない。ただ、何もしないと確実に衰えていくので注意は必要だし、上級がさらに高みを目指そうとすると中級以上に意識的に勉強しないといけないだろう。

ちなみに、このことは語学以外の勉強でも当てはまると思うが、語学は特に中級を初級へと引き戻す引力が強い気がする。他の勉強はもうちょっとその引力が弱い印象があるのだけど、あくまで印象なのでそれ以上のことは言えない。

そんなことを書いているうちに、大学受験のときにお世話になったある予備校の先生を思い出した。その先生は、授業中に「塵も積もれば山となると言うけど、塵なんてフッと吹けば飛んでなくなっちゃうよ」と言ったのだ。だから少しずつ勉強しても意味がないということではなく、人生には、簡単に吹き飛ばされないぐらいの高さの山を一気につくらなきゃいけない時期があるということを伝えたかったのだと思う。当時の自分にとっても記憶に残る一言であったが、今はさらに実感としてわかるような気がする。

自分の目的や今いるレベルにもよるが、語学にはちょっとずつ継続するという「守り」の勉強と一気に押し上げる「攻め」の勉強が両方必要なのだろう。うまく使い分けて語学の上達を目指したい。

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2013年11月30日

英語で論文を書く(2):同じ表現を何度も使わないために

英語で論文を書いていて、内容に問題があるわけではないのに、立ち止まらざるを得ないときがある。同じ表現を何度も使いそうになっているときだ。

英語では、同じ内容を言うにしても、別の表現で言い換えることが多い。日本語の場合もそうかもしれないが、英語のほうがその傾向は強いだろう。しかし、一度使った表現を繰り返さないで別の表現を使うというのは、なかなか難しい。ちょうどよい表現を探すのに、けっこう時間がかかるものだ。

英文中でどのように表現の言い換えがなされているのか、実際に少し見てみよう。自分で英語を書くときのヒントになるはずだ。英語で論文を書くという点でいえば、今回の記事は理系の人にも見てもらえるかもしれないので、理系寄りの文章を取り上げてみる。以下の文章は、SCIENTIFIC AMERICAN 60-Second ScienceというウェブサイトのDo These Microbes Make Me Look Fat?という記事から。いくつかの単語には日本語訳を添えておく。

Researchers found that mice given gut microbes from obese humans became fatter than those that got microbes carried by slim folks. When the husky and lean mice shared microbes with each other, the bigger ones picked up some of the beneficial gut flora?and had improved metabolisms.

gut: 腸 microbe: 微生物 obese: 太り過ぎの husky: 体格のよい lean: やせた flora: 細菌叢(細菌の集合) metabolism: 代謝


このわずか1パラグラフの中にも、同じ内容を別の表現で言い換えている箇所がいくつも見つかる。

(1) mice given gut microbes from... / those that got microbes carried by...
(2) obese humans / slim folks
(3) obese / husky
(4) slim / lean
(5) gut microbes / gut flora

(1)であれば、mice given gut microbes from... と書いた後にthose given gut microbes from...と書いたとしても内容としては問題ないだろうが、そのような単純な繰り返しは避けられ、giveと意味上関連するgetが用いられている(AにBが与えられる(be given)=AはBを手に入れる(get))。(2)ではobese humansとの対比でslim humansと言ってもよさそうだが、実際にはhumansの代わりにfolksが使われている。さらに、(2)で出てきた形容詞obeseとslimは、それぞれ似ている意味の語である(3)huskyと(4)leanに置き換わっている。(5)gut microbesとgut flofaもほぼ同じ内容と考えてよさそうだ。

(2)のように、humansをfolksに言い換える場合なら、類語辞典(シソーラス)を見ればよいかもしれない。しかし、(1)のように単純な単語レベルではない言い換えは、なかなか思いつかない。うまい言い換え表現を見つけたら線を引いたりして使える英語表現のレパートリーを増やしていくというのが、地道だが確実な方法だ。

また、huskyは「体格のよい、がっしりした」という、どちらかといえば肯定的な評価を伴う語(アメリカ英語)だが、この文脈では肯定的な意味合いは感じられない。言い換えにあたっては、このような評価的な側面が捨象されてしまう場合もある。そういった点を意識しながら英文を読むのも勉強になる。

あとは、自分でよく使いがちな表現を予め覚えておいて、それに似た表現を見つけたらメモするのも効果的だ。自分自身についていえば、in terms of...をよく使うことに気づいたので、それ以外にどんな表現があるのか気にするようになった。そうやって気にしていくと、代用できそうな表現がいくつも見つかってくる。たとえば、以下のような表現だ。

(6) in the light of...
(7) in relation to...
(8) from the perspective of...
(9) with respect to...

おかげで、最近はin terms of...に頼りすぎずにすんでいると思う。もちろん、これらの表現がいつでも置き換え可能なわけではないだろうから、いっしょに使う動詞なども合わせて確認するようにしている。

高校までの英語の授業では、名詞の繰り返しを避けるための代名詞(it、one、that/thoseなど)については習う。上記に取り上げた英文でもmiceがthoseやonesに置き換わっており、こうした代名詞の使い方を学ぶのは大事なことだ。しかし、今回紹介したようなタイプの言い換えについては、あまり学ぶ機会がない。大学で英語を書くようになってみてからぶつかる壁かもしれない。類語辞典やGoogleの検索で表現を探すという、論文を書くときの工夫はもちろん必要だが、普段英語を読んでいるときにできること、つまり、書くときのことを意識して表現のストックを増やしておくことも、表現力を磨く上で重要なのではないかと思う。

ちなみに、SCIENTIFIC AMERICAN 60-Second Scienceは、理系で使う英語に触れるにはとても便利。1分間でそれなりにまとまった内容を学べて、しかもPodcastでどこでも勉強できるので、ぜひ利用してみてください。

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2013年10月05日

英語で論文を書く(1):外国語で書くからこそ得られるもの

大学ではいわゆる英文科に所属していたこともあって、英語でレポートを書く機会がたびたびあった。卒論も英語だった。大学院生になってからの論文は、英語で書くことの方が多い。英語で論文を書くのは大変で、なかなか一日に書けるページ数も少ない。辞書を引いたり英語の文献を読み返しながらやっていると、わずか数行書くのにだって、一時間ぐらい、場合によってはそれ以上かかるときもある。

英語に限らず、外国語で論文を書くのは骨が折れるが、外国語で書くからこそ得られるものもある。日本語で書くと、内容がボロボロでも、案外何かしら書けてしまう。しかし、外国語ではそういったごまかしができないから、内容に意識的になる。

実際、英語で論文を書いていて筆が進まないとき、その原因は英語そのものというよりは中身にあるという場合がけっこうある気がする。(「筆が進まない」と言うと、なんだか古風な感じもするが、他に変わる表現がなかなか見つからない。)論じる順番がわかりにくかったり、論理に飛躍があったり、主張の提示の仕方に自分自身で納得していないことがわかったり。そういうときは、一度書くのをやめてノートに論文の要旨を書き出してみる。そんなことをしているうちに、ちょっとずつ内容が整理されていく。

書いているときに作業を中断してノートを引っ張り出すのは、どんどん完成が遅くなるように思えて、気が重くなることもある。だったら書く前にもっと内容を考えればいいじゃないかとも思うが、書き始めてみないと、自分の論にどんな問題があるのか気づかなかったりする。実際に文字にしてみると、だいたい大丈夫だと思った考えが案外いい加減だったと思い知らされる。それは、日本語で論文を書くときでもそうなのだけど、外国語だと余計にそうなる。

そうやって、試行錯誤しているうちに、ちょっとずつ内容がよくなっていく。その結果、日本語のときよりもよい論文が書けたかもしれないと思うことがある。時間はかかるが思考の訓練になる。その意味では、外国語で書くことはけっこう創造的な営みなのかもしれない。

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2013年06月30日

英語の間接疑問とカンマ:間違いの背後にあるもの

先日、高校の授業で間接疑問を扱った。一般的に、疑問文が文の一部として取り込まれた場合、それは間接疑問と呼ばれる。たとえば、(1)は独立の疑問文だが、それを文の中に取り込むと(2)になる。

(1) Who is he?(彼は誰ですか)
(2) I don't know who he is.(私は彼が誰であるか知らない)

なお、whoやwhatなどの疑問詞を用いない疑問文を取り込む場合は、ifもしくはwhetherを用いる(ここでは、全部まとめて間接疑問として扱う)。

(3) He asked me if [whether] I was going back to Japan.(彼は私に日本へ帰るのかと尋ねた)

高校での間接疑問のポイントのひとつは、 独立の疑問文のときと異なり、平叙文と同じ語順になることだろう。というわけで、英作文の問題を出してみた。ちゃんとした語順で書けているか確認したかったが、やっぱりそのあたりの間違いが多かった。

あまり想定していなかったのは、途中にカンマ(, )を入れる生徒がいたことだ。(4)のような日本語を英語に直す場合、解答例として(5)の英文が挙げられるが、(6)のように書いてくる生徒がわりといた(もちろん、もっといろいろと間違えている生徒もいるが)。

(4) 今日郵便局が開いているかどうか教えていただけませんか。(問題)
(5) Could you tell me if the post office is open today?(解答例)
(6) Could you tell me, if the post office is open today?(誤答例)

英語では、この場合カンマは不要である。授業にはそのような例は出てこなかったはずだ。インプットの素材として与えるものが正しいものでも、いつの間にか思い込みや勘違いが入り込んでしまい、アウトプットの段階でおかしなことになっている、そしてそれに気づかないというのは、よくあることだ。講師になってからは特にそれを実感しているので、間違いが多そうなところは先回りして注意を促そうと思っているが(いつも先回りできるわけではないけど目標にはしている)、今回はそういう間違いの可能性に事前に気づけなかった。

もしかしたら、生徒は実際の会話を直接引用する場合(直接話法)と混同したのかもしれない。さきほどの(3)を直接話法で示すと(7)となり、カンマを必要とする。こういう混同があるなら、今度はそのあたりのことも説明しようかと思う。

(7) They asked me, "Are you going back to Japan?"

そして、個人的におもしろいなと思ったのは、実はドイツ語では(6)のような表現が正しいということだ。(4)の問題文をドイツ語にすると、(8)となる。

(8) Können Sie mir bitte sagen, ob die Post heute offen ist?

細かいところは置いておくとしても(können=can、sagen=tell、ob=if、heute=today、offen=openのような対応関係がある)、ドイツ語では、この場合カンマを用いるのがわかる。実際にこうやってカンマを使う言語もあるわけだから、生徒の間違いもそんなにおかしいものだとは言えなくなる。ドイツ語を母語とする人だったら、生徒と同じような英語の間違いをしているかもしれない。

生徒の英語の間違いは、一見すると、正確に覚えておらず、勘違いして勝手なことをしているだけのようにも思える。だが、その間違いは、(a) 似ている表現からの類推をしていたり、(b) 実際に言語としてはありえる(ただし英語にはない)ものを思いつくような、言語に関する鋭い直観を働かせた結果なのかもしれない。だとすれば、たとえ英語のテストでは間違いであったとしても、そこで使った発想は大事なものだと伝えたい。そういった発想でうまくいったりうまくいかなかったりという試行錯誤をすることで、そして、うまくいかなかったところは実際にはどう表現するのかをきちんと覚えることで、語学は上達するのだと思う。

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the foreign minisiterという表現をみて、すぐに「外務大臣」だとわかるかどうか
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2013年05月29日

英語の勉強量なんて、みんな同じようなもの?

先日、iPad miniを買いました。そのときの店員との会話が、いろいろと考えさせられるものだったので、ここに書いておこうかと思います(iPad miniそのものの話題ではないです)。

iPad miniをほしくなった理由のひとつが、電子媒体で英語の本や論文を読むことだったので、店頭で画面の見やすさを確認してみました。ためしに、Google ブックスで、言語学の本を読んでいたところ、店員が話しかけてきました。

「iPad miniに興味おありですか」「ええ、ちょっと実際に触ってみたくて」「操作しやすいですし、軽いし、おすすめですよ」みたいな感じで会話が進みました。

その後、店員がiPad miniの画面を見て一言。「あ、英語お読みになるんですか。私は全然読めないですねえ。私も大学出てるんで、たぶん同じくらい英語の勉強してると思うんですけどねえ」

なんというか、あなたも私も大学での英語の勉強量は同じくらいのはず、という言い方にちょっとびっくりしてしまいました。まあ、会話を続けるためにとりあえず言ってみただけかな、とは感じつつも、おいおい、同じじゃないだろうとちょっとツッコミを入れたくなりました。

自分としては、英語の勉強量が十分だとは思っていません。周りには英語がよくできる人が何人もいるので、その人たちに比べたらまだまだです。ただ、それでも、普通に大学生活を過ごした人よりは英語の勉強をしたつもりです。もちろん、店員からしたらそんなこと知る由(よし)もないですし、相手が高校の講師だとか英文法を専攻している大学院生だなんて思いもしないだろうから、別にいいかなとも思ったのですが、妙に引っかかるものがありました。家に帰ってからも気にしているうちに、次のような考えが浮かびました。

英語の運用能力が高い人は、それ相応の努力をしているなと思います(本人は趣味で楽しんでいて、努力とはあまり思っていないかもしれませんが)。ただ、大学以降は、勉強しているかどうかの差が、わかりにくいと言えばわかりにくい。高校生のときのように、期末試験や大学入試という結果の比較が容易な試験があるわけではないので。なので、身近に英語がよくできる人がいないと、勉強量の比較をする機会がないために、人によって英語の勉強量が全然違うという実感があまりないのかもしれません。今日の店員は、そんな人の一人では。そして、もしかしたら、そういう人の中には、英語ができないのを教育のせいにしすぎる人がいたりするのでは。現状の英語教育にも改善点はあると思いますし、家電量販店の店員との会話から飛躍しすぎのような気もしますが(笑)、本当に英語ができる人が、その力を維持、向上させるためにどれだけのことをしているのか、案外考えないものかもしれないなと思いました。

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2013年01月30日

the foreign minisiterという表現をみて、すぐに「外務大臣」だとわかるかどうか

先日Twitter(@monaka_d)でつぶやいたら、わりと反応があったので、ちょっとだけ加筆して以下に掲載することにしました。

*****


高校の授業でThe Foreign Minister apologized to the Japanese public for various improper actions in the handling of the incident.という文を扱った。

apologizeの用法をたずねる問題で、適切な前置詞(toとfor)を選べるかどうかがポイントだった。そこについては多くの生徒が大丈夫だったみたいだが、それよりも気になる部分があった。

その英文を日本語に直してもらったところ、the Foreign Ministerを「外国の大臣」と訳している生徒がかなりいたのだ。「外務大臣」または「外相」とすべきところだが、

(1) 「外国の大臣」と訳しても、日本語として必ずしも不自然に感じない
(2) foreignもministerもすでに意味を知っているつもりになっていると、かえって辞書を引こうと思わない

などの理由で、間違えたことに気づきにくいと言える。(今回はFもMも大文字になっているので、それもヒントになるだろうが、小文字で書くこともある)

こういうのは日本語に直させてみないと、生徒が間違えていないかチェックするのが難しいなと思った。そして、間違えてみてはじめて記憶に残るものかもしれない。もし、最初から「the Foreign Ministeは外務大臣のことです」と説明してしまった場合、特別に何も思わずに受け取るものの、結局頭に残らず間違える、といったことになった可能性が高い。

可能性が高い、というか、実際そうだったみたいである。

担当しているクラスでは、英語の授業が2種類あって、もう一方のクラスでは『システム英単語』という市販の単語集を使っている。システム英単語は、自分自身大学受験でも使用した、気に入っている単語集であり、以前ブログでも取り上げた。
システム英単語/刀祢雅彦・霜康司

システム英単語の特徴は、単語はよく使われるフレーズを通して覚えるのが一番、と考えているところで、フレーズ単位で単語を紹介している。実は、そのシステム英単語のministerの項目には、the Italian foreign minister「イタリアの外務大臣」というフレーズが載っている。つまり、生徒たちは一度学習済みのはずなのである。しかし、「minister=大臣のところしか見てなかった」という生徒が多かったみたいだ。システム英単語がフレーズという単位を採用している意義を生徒に伝えられていないということでもある。

あと、今回の「外国の大臣」みたいなミスは、自分もしていないか気をつけたいと思う。日頃から、わかったつもりにならずにしっかり確認する習慣をつけなきゃな。

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2012年08月31日

「魂の満足」としての語学

わたしはピアノのレッスンが好きだった。それというのも、毎日少しずつ進歩してゆくように思われたからだった。それは、わたしが外国語で書物を読むときの楽しさを説明してくれるだろう。それは自国語よりも外国語のほうが好きだとか、外国の作家にくらべて、わたしの尊敬するわが国の作家たちに遜色があるとかいったわけではない。ただ意味や感情をたどる場合の軽い困難、さらにみごとにその困難に打ち克ってゆくときの、自分でも気のつかない得意な気持といったものが、知識の上の楽しみに加えて、それなくしてはすまされない何かしら魂の満足とでもいったようなものをつけ加えてくれるからにほかならないのだ。
アンドレ・ジッド『狭き門』新潮文庫 pp.189-190

文学作品には、ときに話の進行上あまり重要でない細部におもしろいことが書いてあったりする。最初に引用したのは小説『狭き門』の一節で、ヒロインであるアリサの日記から。『狭き門』は、読んだのがだいぶ前なので、あらすじ以外は忘れてしまったが、この一節はよく覚えている。そうそう、語学のおもしろさって、少なくともその一側面は、そういうところにあるんだよな、と思ったのだった。

ピアノは、プロの演奏家以外はお金を稼ぐ手段にならない。ピアノを習う多くの人は、お金を稼ぐのに十分な演奏技術を身につけるわけでもないし、それによって就職が有利になるわけでもない(趣味の欄に書いて、面接のときの話題作りぐらいにはなるかもしれないが)。単純に、弾きたい曲が弾けるようになる、だんだんと上達するということがおもしろいから、ピアノを弾くのである。

語学にも同じようなおもしろさがある。一目見てわからなかった外国語の文章が、辞書を引き、文法を考え、うんうん唸って、ついにその意味がわかったときは、何とも言えない心地よさがある。少しずつわかる文が増えていくプロセス自体が楽しめるし、達成感がある。その達成感の背後には、1年前だったら単なる暗号の羅列だったり雑音でしかなかったものが、今や意味のあるものとして認識できるようになったという成長の実感もあるだろう。ある程度勉強が進むと、そうした気持ちになることも少なくるかもしれないが、5年前の自分、10年前の自分を振り返れば、ずいぶんと遠くまで来たことを感じられると思う。それは、何かの手段としてではなく、語学そのものに内在する魅力だろう。

外国語が、だれかとコミュニケーションできるようにするため、あるいは、母語以外の情報を得るための重要な手段であることには変わらない。ピアノなどの楽器に比べれば、そうした実用的な見返りを語学に求める傾向は強いだろう。だが、もし今英語の学習にかけている時間はTOEIC何点分になるのだろうとか、英語が話せたらいくら稼げるのだろうなどと考えていたら、緊張感や焦燥感ばかりでかえってやる気がわかないような気がするし、語学を継続する原動力というのは、むしろここで挙げたような「魂の満足」なのかもしれないなと思う。

狭き門 (新潮文庫) [文庫] / ジッド (著); 山内 義雄 (翻訳); 新潮社 (刊)
狭き門(新潮文庫)
ジッド (著)、山内義雄 (訳)


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2012年06月30日

文法への接し方:楽譜の読み方にたとえて

外国語にとっての文法は、音楽にとっての楽譜の読み方に似ている、という記事を前に書いた。
なぜ文法を学ぶのか?

読み方を知らない人にとって、楽譜は黒い丸とか棒の暗号にすぎない。しかし、読み方がわかればたとえ聞いたことがなくてもどんな曲かわかり、その曲を弾くことができる。もちろん楽譜なんかなくても耳を頼りに曲を覚えて弾けてしまう人もいるだろうが、細部がわからなかったり、曲によってできたりできなかったりの状態になりかねない。どんな曲にも対応できるようにするには、楽譜が必要である。

外国語の場合、文法がわからなくても、何度も耳にすることで覚えて使えるようになる表現もあるし、文法的説明があまり役に立たない決まり文句というのもある。だが、複雑な内容のものを読んだり聞いたりしようとすると、表現も複雑になり、語の組み合わせ方も一筋縄ではいかなくなる。自分から伝えるときにも、ただ使い語をなんとなく並べるだけでは、ぼんやりと伝えることはできても細かい部分は伝えられないかもしれない。どんな表現でも理解できるように、あるいは自分で使えるようにするにあたって、文法というガイドがあれば便利である。

さて、楽譜にはドレミという、「何の音を出すか」を指示する部分と、音の強弱・演奏の速度のように、「どのように音を出すか」を指示する部分がある。出す音を間違えると、あきらかに曲がおかしくなってしまうが、音を間違えなければ、音の強さや速さを変えても、雰囲気は変わるが同じ曲ではあると思えるだろう。

文法にも、それに対応するようなふたつの部分があると言える。まず、「何の音を出すか」にあたるのは、「どんな出来事を伝えるのか」である。基本的な語の組み合わせ方によって、語の意味関係(主語、目的語、動詞など)が決まり、出来事が表現される。英語の文法でいうと、文型や構文として扱われる部分に相当する。たとえば、John hit Mary.は、語順によって主語や目的語が表されている。これをMary hit John.すれば、そもそも別の出来事になってしまい、意味が全く異なる。そのため、外国語の文法を学ぶにあたって、「どんな出来事を伝えるのか」の部分は、しっかりと理解しておく必要がある。

それにたいして、「どのように音を出すのか」にあたるのが、「どのように出来事を判断しているのか」である。伝えるべき出来事がいつのことなのか、どれくらいの可能性で起こるのか、といった部分で、英語の文法なら時制や助動詞などで扱われる。これは、「どんな出来事を伝えるか」に比べると、わかりにくい部分である。John will hit Mary.とJohn may hit Mary.は、まったく別の意味というよりも、同じ「ジョンがメアリーを殴る」という出来事に対しての判断の仕方が違いが表されているわけで、どちらか一方のみが正しいとは言いにくくなる。文法を学んでもモヤモヤした部分が残るが、少しずつ慣れていくしかないだろう。

このように、文法を二つに分けたからといって、特別外国語学習がはかどるというわけではないが、心理的には少し楽になるかもしれない。「どんな出来事を伝えるのか」の部分はあいまいにせず、間違えたら文法書や辞書でしっかりチェックする必要があるが、「どのように出来事を判断しているのか」は、理解するのに時間がかかってもしょうがない、と思うことでわからない部分があっても落ち込みすぎるのを避けることができる。どんな状況でどんな表現が適切かその都度考え、できるだけ意識的になって、ちょっとずつわかっていけばいい、と前向きに取り組むことができる。

語学は、一朝一夕には身につかない。だとしたら、できるだけ続けて学習できるような気持ちにすることが必要だ。文法を学ぶ意義、文法への接し方を自分なりに納得しておくことは、きっと語学のやる気を維持する上で大事なことだと思う。

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posted by ダイスケ at 20:44| Comment(0) | 学習・教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする