【ブログ紹介】
■大学芋はなんで「大学芋」という名前?「大学」+「芋」=「大学芋」と単純にはいえない。そう考えると、ことばには不思議がいっぱい。「大学芋」をきっかけにことばについて考えるブログです!
■はじめての方はこちらへ

2013年03月02日

認知言語学キーワード紹介(1):捉え方

以前、学部の授業のアシスタントをしていたのですが、そこで認知言語学という分野を学部生に紹介する機会をいただきました。そのときに使った配布物を見てみたいと言ってくださる方もいたので、もしかしたら他にも誰かの役に立つかもしれないと思い、手直しして公開してみることにしました。授業に出た人が、「認知言語学をもっと知りたい」「認知言語学の本を実際に手に取ってみようかな」と思ってもらうことを目的に作ったものなので、あまり一方的に説明しすぎないようにしています。そのため、物足りないという方もいるかもしれませんが、それについてはご了承ください。

では、まずは認知言語学のキーワードを文献とともに紹介してみようと思います。

*****


「東京には坂が多いけど、上り坂と下り坂はどちらが多いでしょう?」というのは、答えることのできない質問である。なぜなら、同じ「坂」でも下からみれば「上り坂」に、上からみれば「下り坂」になるからである。

このことからわかるように、ことばの意味には、何を指すかだけでなく、それをどのような立場から捉えているか、つまり「捉え方」(construal)まで含まれている。

これは、言い換えてみれば、たとえ同じ物や状況でも捉え方が異なれば選択される表現が異なることを意味する。英語には、「地球」を表す語にthe earth、Earth、globeなどがある。これらの語は、地球をどのように捉えるかの違いを反映している。では、次の(1)-(3)の場合、どれを用いるのが適切だろうか。

(1) 数百年前は地球が丸いという考えを多くの人があざ笑った。
Hundreds of years ago, many people scoffed at the notion that (     ) was round.

(2) アメリカ合衆国とヨーロッパかまたは地球の他の場所の間を日中に飛行機で移動すると疲労するが、その原因はまだ臨床学的に十分解明されていない。
A day time flight between the United States and Europe or any other part of (     ) is fatigue-making in a clinical way we still don’t fully grasp.

(3) 地球と異なり、木星にはその表面を分割する特徴がない。
Unlike (     ), Jupiter has no features to break up its surface.


(1)-(3)の例は、高橋英光著『言葉のしくみ: 認知言語学のはなし』という本の63ページから取っています。文献情報のあとに、答えだけ載せておきますので、the earth、Earth、globeが地球をどのように捉えた表現なのか気になった方は、ぜひこの本を見てみてください。

言葉のしくみ―認知言語学のはなし (北大文学研究科ライブラリ) (北大文学研究科ライブラリ 1) [単行本] / 高橋 英光 (著); 北海道大学出版会 (刊)
言葉のしくみ―認知言語学のはなし
高橋英光
北海道大学出版会


答え
(1) the earth (2) the globe (3) Earth

関連記事:
認知言語学キーワード紹介(2):カテゴリーとプロトタイプ
認知言語学キーワード紹介(3):メタファーと経験基盤主義
認知言語学キーワード紹介(4):ゲシュタルトと構文
posted by ダイスケ at 23:13| Comment(0) | 言語学の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。