【ブログ紹介】
■大学芋はなんで「大学芋」という名前?「大学」+「芋」=「大学芋」と単純にはいえない。そう考えると、ことばには不思議がいっぱい。「大学芋」をきっかけにことばについて考えるブログです!
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2012年05月06日

「大学芋」からことばの不思議へ

ことばはコミュニケーションや思考の道具である、とよく言われる。私たちが道具について抱く関心の多くは、それをどう効果的に使うかであって、そのしくみについてはあまり気にしない。パソコンだったら、その使い方は調べても、その中がどうなっているかは考えないように、ことばについて関心をもつのは、うまく人に気持ちを伝えたり、自分の考えを論理的に展開させるなどの使い方についてであることが多い。

しかし、ふとした瞬間に、ことばそのものの存在が大きくなることがある。たとえば、大学芋はなぜ「大学芋」という名前なのだろう?サツマイモを油で揚げて甘いたれをかけたこの食べ物は、「大学芋」という名前とはかけ離れているように感じる。

ウェブ上で検索すれば、その名前の由来として、大学生が好んで食べたとか、大学生が作って売った説などが紹介されているのが見つかる。それらの説が正しいとすれば、現在は大学生との特別なつながりがなくなってわかりにくくなっただけで、名前に「大学」が含まれる理由があったということになる。

これで問題は解決したようにも思えるが、一方でさらなる疑問も生まれる。大学生が作る芋料理なら何でも「大学芋」と呼べるわけではないし、「芋」といってもジャガイモやサトイモではなく、サツマイモでなければならない。つまり、形の上では「大学」+「芋」なのに、その意味は、たとえ名前の由来がわかったとしても、単にその二つのことばの足し算では説明しきれない。

たまたま「大学芋」が極端なケースなだけだという印象をもつかもしれない。しかし、そういう例は案外たくさんある。

たとえば、「時計」がつくことばを考えてみよう。
「目覚まし時計」は「目を覚ます」ための「時計」。
「砂時計」は「砂」によって時間を計る「時計」。
「鳩時計」は「鳩」が小窓から出てくる「時計」。
どれをとっても、単純に二つのことばの組み合わせ以上の意味をもっている。一体どうして私たちは何の困難もなくそれらを使い分けることができているのだろうか。

私たちは、パソコンのしくみについてはよく知らないという自覚があるが、ことばについては、あまりに生活に身近な存在のせいか、なんとなくわかっているような気がしている。しかし、実際には、ことばは不思議でいっぱいである。当たり前だと思っていたものが当たり前ではないと気づくのはスリリングで、そこにどんなしくみがあるのか考えをめぐらすのはとても楽しい。このブログでは、ことばの不思議に気づく「大学芋」のような瞬間を大切に、ことばについて考えるおもしろさを紹介していきたいなと思います。
ラベル:日本語
posted by ダイスケ at 01:17| Comment(2) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「大学芋」を楽しく読ませていただきました。
偶然、サイトを見つけました。
「ことば」にこだわる面白さ。
とても興味があり、今後も楽しみにしております。
2012年5月の掲載でしたが、以降も、続けていらっしゃいますか?
Posted by 大岩賞介 at 2014年07月28日 09:33
大岩さん、コメントありがとうございます。ブログに関心をもっていただけて、とてもうれしく思います。
ブログは、現在も毎月一回以上のペースで更新をしていますので、引き続きご覧いただければと思います。なお、現時点での最新の記事はこちらです。

「忘れ物として回収させて頂く場合がございます」
http://imogakusei.seesaa.net/article/400062011.html
Posted by ダイスケ at 2014年07月30日 23:22
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