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2011年05月31日

素人のように考え、玄人として実行する/金出武雄

 実際、専門家というのは、「こういう時にはこうすればうまくいくはずだ」「こういうときにはそうしてはならない」というパターンを習得した人である。その分野を知っているだけに発想を生む視野が狭くなってしまう。
 もともと発想は「こうあって欲しい」「こんな具合になっているのではないか」という希望や想像から生まれる。希望や想像は知らなくてもできる。とらわれがないとかえって斬新な発想を生み出す可能性がある。「できるのだ」という積極的態度につながる。
 しかし、発想を実行に移すのは知識が要る、習熟された技(わざ)が要る。考えが良くても、下手に作ったものはうまく動かない。やはり、餅は餅屋なのだ。(p. 8)

金出武雄. 2004. 『素人のように考え、玄人として実行する』 PHP文庫.

去年も今年も、大学院の授業だけでなく学部の授業にも顔を出している。学部の授業には、大学院の授業とは別のおもしろさがある。大学院生なら疑問を持たないようなことを質問したり、実際に調査できるかを脇に置いて、自分のアイデアを言ったりする学生がいるからだ。

そんな学生を見て思い出すのが、上記に引用した金出武雄氏の『素人のように考え、玄人として実行する』だ。

なまじ知識があると、既成の理論や枠組みに従いすぎてしまい、その考え方を疑ったり、それが当てはまらないものに対してきちんと考えなかったりするのかもしれない。後輩の先入観がないがゆえの斬新な質問や意見に、自分もそうした素朴な疑問を抱くことから言語学の勉強を始めたのだという思いを強くした。

自分の場合まだ玄人とは言えないまでも、何らかの疑問を思いついたときにそれを回答可能な問いに加工したり、関連のある研究を見つけたり、実際に調査して論を展開していく力が、少しはついてきた。そのような力は引き続き伸ばしていくとして、もっともっと素人発想を取り入れていきたい。そのためのチャンスは、自分の気持ち次第でどこにでもあるのかもしれない。学部の授業での後輩との交流や他分野の人との議論はもちろん、バイト先の塾の生徒の質問に答えたり家族との会話も、なんでも学びの場にできるんだなと思う。

素人のように考え、玄人として実行する―問題解決のメタ技術 (PHP文庫) [文庫] / 金出 武雄 (著); PHP研究所 (刊)
素人のように考え、玄人として実行する―問題解決のメタ技術 (PHP文庫) [文庫] / 金出武雄






posted by ダイスケ at 23:59| Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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