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2017年08月24日

大学生になったら『リーダーズ英和辞典』?

外国語を勉強するにあたって、辞書は必須道具の1つだと言える。辞書の数が少ない、あるいは辞書がまだ作られていない言語もある一方、英語には日本で出版されているものに限ってもかなりの種類があり、英語の辞書の充実ぶりはすごいことなのに、あまり辞書の選び方や使い方などの話を聞く機会は案外ないように思う。

大学生に目を向けてみると、大学生が触れる辞書についての情報の1つが大学生協の電子辞書の案内なのではないかと思う。個人的に気になっているのは、大学生になったら「リーダーズ英和辞典」のような収録語数の多い辞書が必要だ、という宣伝を目にすることだ。たとえば、次のようなものが見つかる(年度が変わるとリンクが切れてしまいそうだが)。

電子辞書のご案内(慶應義塾入学者・受験生応援サイト)
「語数を考えればリーダーズ英和辞典や研究社の英和・和英活用大辞典、プログレッシヴ英和・和英辞典など大学生には良いと思います。」
「私は大学入学当時、電子辞書は今まで使っていたものを使えばいいと思っていました。しかし、今までの中学・高校モデルでは大学の授業に対応できず買い替えを決意しました。そこで購入したのが大学生協モデルです。生協モデルはとにかく安いです。英語重視モデルなので、大学で必要とされる、リーダーズ(英和)やロングマン(英英)が入っていることはもちろんのこと、TOEICの学習に最適なコンテンツも多数入っています。」

電子辞書のご案内(早大生のための新入生応援サイト2017)
「早大先生推奨、リーダーズやリーダーズプラスを収録」

大学生のための電子辞書(金沢大学生活協同組合)
「一方、大学生向けの電子辞書は、英和大辞典と呼ばれる更に詳細な辞書や、『リーダーズ英和辞典』に代表される収録語数の多い辞書、そして各種の英英辞典が充実しています。論文を読む、英文エッセイやレポートを書く、英語で調べ物をするといった大学生に必要とされる局面で強力な武器になります。 辞書は、あなた自身の英語学習の段階によって変わるものです。英語を「学ぶ」から「使いこなす」段階へ。電子辞書も持ち替えましょう。」


高校生の英語学習でも推奨されることがある『ジーニアス英和辞典』(このクラスの辞書は「学習英和辞典」とも呼ばれる)は約10万語規模で、『リーダーズ英和辞典』は28万語規模。大学生協の広告を見ると、『ジーニアス』のような辞書は高校までで、大学生になったら『リーダーズ』のように収録語数の多い辞書を使わなければいけないのかと思う人もいると思う。

そういう印象を与えるとしたら、上記の広告は罪作りだなと思う。実際のところ、『ジーニアス』あるいはそれと同規模の学習英和辞典があれば、TOEICや英検1級レベルの語も対応できることが多く、普段の学習にはこのクラスの辞書は十分に力を発揮する。しかも、な学習英和辞典は、語法・文法などの充実していて、日本人が間違えやすい箇所も示していてくれたりするなど、『リーダーズ』などより収録語数が少ない分、丁寧なつくりになっていることもあり、大学生や社会人も大いに活用する価値がある。もちろん、学術用語や特定分野の専門用語などは『リーダーズ』が役に立つ場面もある。そのへんは場面に応じて使い分ける必要があるだろう。

個人的には、大学で英語を勉強する際、『リーダーズ』のような大規模な辞典を使えるようにしておくのは大事なことだと思うけれども、収録語数に注意が向くことで、学習英和辞典の過少評価につながるとしたら残念だと思う。英語教育に携わる人が、バランスのとれた辞書の情報発信をしていくことが大事なのかもしれない。
posted by ダイスケ at 08:00| Comment(0) | 学習・教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする