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2015年07月12日

英語学習に便利なウェブサイト(3):学習方法とテスト作成方法

英語学習に便利なウェブサイトを紹介する記事の第3弾です。第1弾は無料で音声または映像が利用できて、さらにその書き起こしが手に入るもの、第2弾は医学・医療分野に限定したものを見ましたが、第3弾は科学記事を扱ったものを紹介します。科学記事としては、第1弾ですでにScientific Americanを紹介していますが、今回はそれと比較しながらふたつのウェブサイトを見ることにします。そのうえで、複数のウェブサイトを利用した英語学習法や英語テストの作り方を考えてみます。

Science Update
○最新の科学情報についての簡単な解説。音声とその書き起こしから構成されている。
○Scientific Americanの60-second Scienceの音声は、1分(60秒)と言いながら実際には2分前後のものもあるのに対して、こちらは確実に1分に収められているので、さらに手軽に英語に触れることができる。
○毎回研究者(論文の著者)本人の声が聴けるのが特徴。もとの論文へのリンクなどはないので、別途検索が必要。

Science Daily
○科学情報について、文字のみの記事または映像の二つの形式で紹介。映像に書き起こしはない。
○Health、Physical/Tech、Environment、Soceity/Educationのジャンルに分かれている。各ジャンルはさらに細分化されて記事・映像がまとめられている。
○Story Source(もとになった研究機関の発表などへのリンク)、Journal Reference(もとになった論文が掲載されている雑誌へのリンク)があるのも便利。
○スマートフォン向けに最適化された画面が用意されており、アプリ版もある(App SoreGoogle Play)。

以上のように、科学記事を紹介するウェブサイトが複数あるわけですが、これは英語を勉強したり、英語教材を作成する上で効果的に活用できると思います。たとえば、以下の二つの記事の抜粋を見てみましょう。

[A] Scientific American 60-second Science "Animals Can Be Given False Memories"
Scientists trained bumblebees to expect a droplet of sugar water from two artificial flowers: one that was solid yellow, the other looking like an archery target of black and white rings. A few minutes later, (1)the insects were allowed to choose between those two flowers and a third one that had yellow rings, (2)a combo of the previous patterns. In this short-term test, the bees correctly showed a preference for the petals they’d seen had the sweet stuff.

[B] Science Daily "Bumblebees make false memories, too"
To find out, Chittka and Hunt first trained bumblebees to expect a reward when visiting a solid yellow artificial flower followed by one with black-and-white rings or vice versa. During subsequent tests, (1')bees were given a choice between three types of flowers. Two were the yellow and the black-and-white types they'd seen before. The third type of flower had yellow-and-white rings, representing (2')a mixed-up version of the other two. Minutes after the training, the bees showed a clear preference for the flower that most recently rewarded them. Their short-term memory for the flowers was good.

[A] はScientific American 60-second Scienceから、[B] はScience Dailyから取ってきました。(1)や(2)などの番号や下線はこちらで加えています。どちらもbumblebee(マルハナバチ)の記憶に関する研究を紹介していますが、用いられている表現はある程度異なることがわかります。そのため、同じ内容を伝える複数の表現を知ることができたり、何度も同じ語に触れることで語彙を定着さえることが期待できます。(同じ内容を言い換えることについては、以前「英語で論文を書く(2):同じ表現を何度も使わないために」でも取り上げました。)

たとえば、(1) と (1') を見ると、(1) に出てきた (the insects were) allowed to choose between... という表現は、(1') の (bees were) given a choice between... とも言い換えられることが学べるでしょう。また、(2) a combo of the previous versionsは、(2') a mixed-up version of the other twoに対応していることがわかります。

今度は授業で [A] を扱ったことを想定して、そのテストをつくることを考えてみましょう。リーディングテストで授業で扱った文章を繰り返し出題する以外にどんな方法があるか、というのはなかなか悩みどころだと思います。これに関して、印南洋氏は「そのままの本文の後に本文の要約を空欄補充式で提示」するというやり方を紹介しています(『英語教育』2014年9月号, p. 62)。

これを実践するにあたって、上記のように [A]、[B] のような同一テーマの英文を手に入れることができると非常に便利です。たとえば、[A] を提示したあとに [B] の一部を空所にして、穴埋め問題 [B'] を行うことができます。以下のように、空所 (ア)、(イ) を用意して指定した文字から始まる語を [A] から抜き出す、という問題をつくってみました。

[B'] 穴埋め問題
To find out, Chittka and Hunt first trained bumblebees to expect a reward when visiting a solid yellow (ア. a     ) flower followed by one with black-and-white rings or vice versa. During subsequent tests, bees were given a choice between three types of flowers. Two were the yellow and the black-and-white types they'd seen before. The third type of flower had yellow-and-white rings, representing a mixed-up version of the other two. Minutes after the training, the bees showed a clear (イ. p     ) for the flower that most recently rewarded them. Their short-term memory for the flowers was good.


すると、[A] の文章を参照しながら [B'] の問題を解くことになるので、[A] の復習にもなると思います。[A] を十分わかっている学生であれば空所に必要な語をすぐに書いてそれを [A] で確認することができますし、[A] の勉強が不十分だった学生でもその場でがんばればなんとか解答にたどりつく可能性があります。わからなければあきらめるしかない問題とは違って、そういうチャンスがあるのはおもしろい問題かなと思います。ちなみに、解答は (ア) artificial、(イ) preferenceです。

というわけで、今回はScience UpdateとScience Dailyを紹介したうえで、ウェブ上の複数の科学記事を利用した英語学習、英語テストについて考えてみました。今後も英語学習や英語の授業に使えるウェブサイトを探していきたいと思います。

参考文献
印南洋. 2014.「リーディングテストの作成方法」『英語教育』第63巻第6号(9月号), 62-63.

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英語で論文を書く(2):同じ表現を何度も使わないために
ラベル:語学 英語教育
posted by ダイスケ at 00:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 学習・教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする