【ブログ紹介】
■大学芋はなんで「大学芋」という名前?「大学」+「芋」=「大学芋」と単純にはいえない。そう考えると、ことばには不思議がいっぱい。「大学芋」をきっかけにことばについて考えるブログです!
■はじめての方はこちらへ

2010年05月31日

卒業論文集完成

卒論集

うちのゼミでは、メンバーの卒論をひとつにまとめて製本するというのを第一期生からやっている。第二期生であるぼくらもやろうということになり、それがやっと完成した。編集にあたったのは、ぼくと同期のOくんだが、ほとんどぼくがやったと言っていいと思う(笑)。

原稿を持ち寄って論文集をつくるというのは、初めてではない。1回目は大学の授業、二回目はサークルで、今回の卒論集は3回目ということになる。1回目は授業の一環としてのものだが、そのときは大学の出版会の方とも打ち合わせをして、いろいろと出版社ならではの話を聞くことができてよい経験になった。それ以来、本を読むときでもフォントや改行の仕方などにちょっと気になるようになり、自分で文書をつくるときの意識も変わった。

3回目ということで、作業もある程度は慣れてきたかと思ったが、そう簡単にはいかない。ある程度校正したつもりだったが、製本してから見つかったミスもかなりある。今のところ致命的なものは見つけていないが、まだまだあるかもしれない。自分の論文で変なミスがあったのも、ちょっとショックだった。逆に、他の人の論文でこういうミスがなくてよかったなとも思うけど。

というわけで、今回の教訓。
1. 編集は一気に行うこと(編集の途中で間をあけると、どこまで編集したのかわかりづらくなる)
2. 校正はパソコン上だけでなく印刷して紙で確認すること(紙で見て初めて気づくミスが多い)
3. 出来上がったら、他人にも見てもらうこと(まちがっていないだろうというバイアスがかかっているので、自分ではミスを見つけにくい)
当たり前と言えば当たり前なんだけど、意外とどれも実行できなかったりするので、編集でなくても大事な資料をつくるときなどは、意識してみるといいと思います。

ミスの話から入ったけど、全体の出来としてはなかなかいいんじゃないかな。表紙は弟に頼んでオリジナルのものをつくってもらった。弟に表紙を頼むのも3度目だけど、毎回センスのいい表紙をありがとう。ページ番号の入れ方や、各論文に「要旨」を入れたのも、いいアクセントになっていると思う。

編集後記でも書いたのだが、卒論集をつくることの意義の一つは、意図せずにそれを手にとる可能性を生むことにあると思っている。パソコンの中に入れておくだけでは、そのファイルを開かない限り卒論を見ることはないが、このように形あるものとして残しておくことで、将来部屋の整理をしているときに、思いがけず卒論集を目にする機会もあるはずだ。パラパラとめくるだけでも、英語が分からずに投げ出したくなったり、データがうまく集まらずに焦ったり、自分の主張に疑心暗鬼になったり、何かに駆り立てられるようにしてパソコンに文字を打っていったりと、写真だけでは思い出せない記憶がよみがえってくるだろう。大学4年間の集大成として一つのものを作り上げたという証は、単なる回顧を超えて、未来の自分に勇気を与えてくれるようなこともあるかもしれない。

そういう思いも込めながらつくったこの卒論集。第二期生のみんなに気に入ってもらえればうれしい。
ラベル:卒論 日記
posted by ダイスケ at 03:26| Comment(0) | 日々の出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月24日

ことばについて考える1:語学と言語学

言語学を勉強していて思うのは、言語学というのはあまり世間に知られていない学問なのだなあということだ。本屋に行っても、「哲学」「文学」「心理学」などのコーナーはあっても、「言語学」というコーナーは普通ないことからも、それはうかがえる。場合によっては、「語学」のコーナーに言語学の本があったりするのだが、語学と言語学はちがう。ただ、普段の生活をしていて、言語というものを強く意識させられるのは、語学、つまり外国語学習のときだろう。今回は、語学と言語学を対比させる形で、言語学の紹介をしてみようと思う。

外国語を勉強するときというのは、当然ながらその言語を十分に使える状態ではないだろう。その場合、何よりもまず、わからない語句や文があって、それをわかるようにしたいとい願望があるはずだ。(あるいは、あることを表現したいがそれをどう表現してよいかわからない、それを何とかしたい)それは、本を読んだり、その言語の話者と会話をするという目標があってのことだ。つまり、語学にとっての言語は「手段としての言語」なのだ。

それに対して、言語学にとっての言語は「目的としての言語」である。ある言語の構造や機能に興味を示すのである。言語学に必要なのは、見るからに難しい表現を読み解くことではない。むしろ、言語学で出てくる例文の多くは一見簡単である。しかし、意味のわかりきっているような表現でも、よく考えてみると不思議があり、その不思議に気づくことが言語学のスタートになる。

次の例を見てみよう(今回の例はすべて自作)。

(1)
a. 大きいりんご
b. 大きなりんご
(2)大きなお世話

日本語を勉強している外国人がいたとして、(1)では「大きい」も「大きな」もともに「りんご」という名詞を修飾しておりその意味は基本的に同じでありと、(2)はやや特殊な用法で「余計なおせっかい」という意味であると知っていれば、その人の日本語の力はなかなかのものだと考えるだろう。(1)と(2)の意味がわかっていて、それを使えるのだから、語学としては問題ない。

では、次の例はどうだろうか(*は容認されない表現を表す)。

(3)*大きいお世話

「大きい」と「大きな」はほぼ同じ意味であるはずなのに、日本語の話者は(3)のような表現を使うことはない。
では、両者の差は何なのだろうか。他にも同じような例を挙げてみよう。

(4)
a. 彼は大きな悩みを抱えている。(cf. *大きい悩み)
b. その政策は日本経済に大きな影響を与えた。(cf. *大きい影響)
c. その事業の成功のおかげで、私たちは大きな喜びを覚えた。(cf. *大きい喜び)

これらの例から、「大きい」は物理的な大きさを表すのに対して、「大きな」は物理的な大きさはもちろん、程度のはなはだしいさまをも表すのではないかと予想できる。
ただし、話はそれほど単純ではない。程度のはなはだしさを表す用法は、名詞修飾でなければ「大きい」を用いてもまったく問題ない。

(5)
a. 彼の抱えている悩みは大きい。
b. その政策が日本経済に与えた影響は大きい。
c. その事業の成功で得られた喜びは大きい。

また、(6)の「大きい」が修飾しているのは物理的なものではないが、違和感は感じられない。

(6)
a. 授業中に大きい声を出してはいけません。
b. 最近は大きい事件が起こっていない。

そして、そもそも本来物理的な大きさのないものに対して「大きい」「大きな」という語を使うのも、考えてみれば不思議な気がする。
「大きい」と「大きな」のちがいがどうなっていて、それはなぜなのか。こうした問いを追求をしていくなら、それはすでに言語学へ一歩踏み込んだことになる。

言語学では、言語の不思議を探るために、意味のわかりきった表現でも考察の対象となる。その際、あえて容認されない例(母語話者にとってみれば間違っている表現)を用いることもあるが、それが容認される表現の解明につながることもあるのである。わからない語句や文をわかるようにする、間違った表現であれば直すことを目指すことを目指す語学と比べてみると、言語学がどのような関心をもって言語を見ているのか、伝わってくるのではないだろうか。

(ただし、一口に言語学といっても、実にいろいろなアプローチや考え方がある。ここで紹介するのとはだいぶちがった形の言語学もあることをお断りしておきます)

続編:ことばについて考える2:辞書と言語学ことばについて考える3:ことばの不思議への招待
posted by ダイスケ at 01:25| Comment(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月13日

少しばかりの上達

大学院の授業のペースにも慣れてきた。
今年取った授業は、教科書が全部英語で、毎回予習が大変だ。
ただ、やっていて思うのは、前よりは英語の文献が読めるようになったな、ということだ。
大学に入ってから、英語の力が上がったと感じることはそれほどなかったので、これは素直にうれしい。
やはり、卒論のためにいろいろと論文を読んで、大学院の入試のために地道に英語の読み書きに励んだからだと思う。

とりあえず、語彙が増えた。
去年の10月から試験に受かる3月まで、知らない語句や不安な語句に出会うたびに辞書を引いてノートに例文を書いていった。
こういう地道なやり方で確実に語彙が増えるというのは、頭でなんとなくわかっていても、大学に入ってからはそれほど英語だけの勉強に時間を割いていなかった自分にとっては、ある意味新鮮ですらあったような気がする。
高校のころの英語の勉強を思い出した。
辞書を引く時間も惜しまなかったし、これだけ語学に時間をかけられたのは、ある意味贅沢だったなと思う。

もちろん、知識が増えたことで英語であるかに関わらず内容を把握しやすくなったという側面もあるが、いずれにせよ、少しばかり上達したんじゃないだろうか。

まだ明日の予習が終わっていないので、続きをやってから寝ることにします。
ラベル:日記
posted by ダイスケ at 02:48| Comment(0) | 日々の出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする